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うちの柴犬は知能指数が高かった

今から約22年ほど前の話になります。
私と柴犬の太郎(安直な名前と思われるでしょうが、一番呼びやすかったので。)との出会い
は、親族から譲り受けたことから始まります。当時太郎は生後1年ほどで、充分人にも慣れて
おり、親族が飼っていた犬の子どもだったので飼い易い印象でした。
もともと家族一同犬好きで両親の実家でも犬を飼っていました。その影響もあり、我が家でも
太郎を迎え入れることになりました。

太郎と私の一番の思い出は、太郎を飼い始めて1年後初めて遠方への旅行に太郎を連れて行った
時の事です。
我が家では、毎年家族で軽井沢に避暑に行っていたのですが、私が小学校2年生の時に初めて
太郎も帯同し車で軽井沢に行きました。
私は軽井沢が大好きでとても興奮していたのですが、太郎は車酔いもあまりせずに終始おとなしく
車の旅に付き合ってくれていました。軽井沢に着き、別荘で一休みをしました。

森に囲まれ犬の散歩にはとても最適な場所です。両親は疲れていたこともあり、太郎の散歩は明日
で良いと言っていたのですが、私は言う事を聞かずに姉と太郎と散歩に出かけました。
避暑シーズンという事もあり、周囲の別荘にも家族連れが沢山いたりと、頻繁に車の往来がありました。
私は久しぶりの軽井沢で興奮し、つい散歩中太郎のリードを離してしまい、更に道路の真ん中で転んで
しまったのです。正面から車が来ており、私は痛さと怖さで泣き叫びました。姉も小学生だったため
なすすべなく車が迫ってきました。すると、太郎は走り去るでもなく、泣き叫ぶ私の前に来てくれて
吠え続け動きませんでした。運よく見通しは良かったので、車は数メートル先で止まってくれました。

直ぐに運転手の方が出てきて助けてくれたのですが、その時に太郎が車の方を見て吠えていたのでおかしいと思い
停車してくれたそうです。太郎が私の命を救ってくれたと言っても過言ではないのです。
太郎もまだ仔犬と呼べるほどの大きさでしたが、身体を張って私を助けてくれました。両親にはこっぴどく
叱られましたが、太郎は一躍我が家のヒーローになりました。忠犬なんて言葉ありますが、太郎は本当に
賢い犬で、飼い主のピンチを救ってくれました。